エンジニアが高年収を目指せる企業特集--IT系 vs. モノづくり系!
働くからには、やはり高年収を目指したい!それは、やりがいを重視するエンジニアでも同じこと。今回は「IT系」と「モノづくり系」のエンジニアが高年収を目指せる企業をピックアップし、さらに年収アップに成功する転職の勘所をまとめてみた。
http://japan.cnet.com/workstyle/special/story/0,3800083108,20383291,00.htm
最近、某外資系証券会社の年収1億円超えが話題になったが、まずは、冷静に世間一般の相場を確認しておこう。厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査」平成19年版の資料「年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」から算出すると(図1)、全業種平均年収(男女計)は488万円となっている(1万円未満四捨五入。以下同)。世代別で絞って見た場合は、20代後半の平均が374万円、30代前半で446万円という数字だ。ちなみに30代後半は519万円となっている。
これらの数字を基準に考え、全業種平均だけでなく30代後半の平均をも上回る「550万円以上」という数字を、本特集における「高年収」として「IT系」と「モノづくり系」それぞれで該当する企業をピックアップした。高年収を目指せる企業を効率的に探せるはずだ。ぜひご覧いただきたい。
それでは現実に、IT系企業とモノづくり系企業、どちらで働くエンジニアのほうがより多くの収入を得られるのだろうか。
情報化・デジタル化が世界的に進展している昨今。時代の要請に乗って、IT企業の華々しい活躍が目立つシーンが続いてきた。ITベンチャーの成功者が一躍時の人となり、IT系の起業数も増加。そうした影響か「ITはもうかる」というイメージが広く行き渡っているかもしれない。
一方、モノづくり系企業というと、日本を長い間支え続けてきたことに対する安心感と信頼感は抱きつつも、なんとなく「IT系企業のほうが高年収なんじゃないの」と思い込んでいる人が多いことだろう。
実際のところはどうなのだろうか?
厚生労働省の前出の資料(男女計)から算出すると(図2)、情報通信業(いわゆるIT系)は627万円と、全業種平均よりかなり高い。一方で、モノづくり系では製造業が508万円、建設業が483万円と、数字だけで見ればやはりIT系に分がある。
世代別平均で見ても、情報通信業の20代後半が428万円、30代前半が546万円であるのに対し、製造業の20代後半は385万円、30代前半でも457万円と、IT系の優位は基本的に変わらない。
ところが、IT系、モノづくり系という業種の違いを問わず、職種別に見ると様子が異なってくる。広く“エンジニア”というカテゴリーで考えた場合、高年収を期待できる職種といえばどんな仕事があるだろうか。
エンジニアという仕事を職種別で見た場合、浮かんでくる特徴といえば、自然科学系研究者や一級建築士といった特殊なスキル・資格あるいは経験を必要とする職種の存在だ。そういった職種では、やはり概して高収入になるという傾向が現実として出ている。
前出厚生労働省調査の資料「職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」から算出すると(図3)、メーカーの研究所などで活躍が期待できる食品化学・電気工学・農学・医学・薬学などの自然科学系研究者は、平均年収が677万円と飛び抜けて高い。機械・電気・化学・船舶・航空機械といった技術士も594万円だし、業種別で見れば低かった建設業でも一級建築士は599万円と、高年収の基準とした550万円よりも高い数値が見られる。分析工・試験工といった化学分析員も、550万円にはぎりぎり届かないがほぼ同水準の543万円が平均年収となっている。
一方のIT系職種では、システムエンジニア(SE)が554万円とかろうじて基準以上をキープしているが、プログラマーは402万円。平均値ということで各職種の平均年齢によるバラつきはあるものの、職種別という見方をするなら、IT系職種のほうが年収が高いとは一概にいえない状況が見えてくる。
たとえば年収レベルが高いとされるIT系企業に入ったとしても、誰もが上流工程からプロジェクトに携わり管理するSEになれるとは限らない。もしもプログラマーのままでキャリアが止まってしまえば、その先は収入も当然伸び悩みの状態になる。となると、年収面でははたしてIT系企業という選択肢が正解であったかどうか、疑問を感じてしまう場面も起こりうるということだ
このように、職種によって年収レベルに差が生じてくる傾向にあるのが、エンジニアの世界の実態といえる。業種別で単純に比較するとどうしてもIT系のほうが有利に見えてしまうが、職種別で見れば様相が異なってくる……この現状を考えれば、会社選びの視点もおのずと変わってくるだろう。すなわち、会社選びに際して「IT系」か「モノづくり系」かという分け方は、もはやあまり重要にならない可能性があるということだ。
会社というのは便宜上、業種でカテゴライズされてしまい、転職を志す側としても「IT系」「モノづくり系」とついつい分けて考えてしまう傾向がある。しかしながら、そもそも実際問題として、業種別で単純に比較すること自体が難しい時代になっている。何事につけボーダーレスな世の中、ひとつの企業が関わる業務も多様化している。業種イコール職種というようにスッパリとは割り切れない、あるいは割り切らないほうがいい時代なのだともいえるだろう。
簡単な話、モノづくり系企業にもIT系の職種はあるし、その反対のケースもある。会社の業種だけで志望先を決めてしまうのは、具体的なチャンスの数を減らしてしまうだけであって、要はもったいないわけである。「え、あの会社で?」と、思わぬ業種の企業で自分のキャリアを活かせる仕事に出会えるかもしれない。狭い範囲に限定せず、求人情報を幅広くチェックしていくのがいいだろう。
伸びゆく「IT」企業と、世界最先端を走る日本の「モノづくり」企業。「IT系 vs. モノづくり系」と銘打ったが、実際にはバーサスの関係というより、双方の業種を幅広くチェックすることでアナタ自身の可能性が広がり、キャリアアップにつながるのだ。これを機会に、ワイドな視野を持って、ぜひともアナタの天職を見つけてほしい。