転職に効く! 技術分野別ITエンジニアお宝資格ガイド --#03 サーバーといえばこの資格MCP
現在、主なものだけでも200個以上のIT資格が存在します。数あるIT資格の中で、本当に価値ある資格とはいったいどれなのでしょうか。この連載では、ITエンジニアのスキルアップやキャリアパスに詳しい克元亮先生が、あなたのお宝アイテムとなるにちがいないIT資格と、その効果的な受験対策を技術分野ごとに解説します。第3回は、サーバー系の資格として人気が高い「MCP MCTS」と「CompTIA Server+」「LPIC」をご紹介します。
http://japan.cnet.com/workstyle/knowhow/story/0,3800083106,20382964,00.htm
Windows Server 2008の登場で注目のMCTS
マイクロソフト認定テクノロジースペシャリスト(MCTS)は、マイクロソフトが主催するベンダー試験Microsoft Certification Program(MCP)の1つです。MCPは、アメリカをはじめ世界150 カ国以上で実施される世界共通の資格となっており、広く普及するマイクロソフト製品におけるスキルを証明するのに有効です。
MCPには、マイクロソフトテクノロジーに関するスキルを証明する初級資格として「テクノロジーシリーズ」があります。この中で、サーバー製品の導入または利用に関するスキルを証明する資格として注目したいのが、Windows Server 2008関連です。
Windowsは、ご存知のとおり、PCのOSにおいてデファクトスタンダードとなっており、そのサーバーバージョンは、多くの企業で基幹システムに活用されています。今年は、仮想化技術やセキュリティなどの面を大幅に強化したWindows Server 2008が、2003年リリースのWindows Server 2003以来、5年ぶりのメジャーアップグレードとして登場しています。
Windows Server 2003を導入しているユーザーは多いため、これからバージョンアップに伴い高度な技術サポートが広く必要とされるにちがいありません。MCTSの有用性はさらに上がるものと思われ、サーバー技術者を目指すなら必須の資格と言えるでしょう。
MCTS取得のための対策
MCTSには、Active Directoryなどの構成スキルを証明する「Windows Server 2008 Active Directoryコンフィギュレーション」、IPアドレスの割り当てなどの構成スキルを証明する「Windows Server 2008 ネットワーク インフラストラクチャコンフィギュレーション」、ターミナルサービスなどのアプリケーションインフラストラクチャ機能を構成するスキルを証明する「Windows Server 2008 アプリケーションインフラストラクチャコンフィギュレーション」という3つの分野があります。
MCTSでは、ユーザーが250人以上で3つ以上の事業所を持つといった中規模以上の企業を想定しており。Windows Serverにおける構築や運用管理の経験が1年以上は必要とされています。MCTSという称号はいずれか1科目の合格だけでも得られますが、中規模企業以上のシステムとなればいずれのスキルも必要となりますから、3分野とも取得するように準備を進めるべきです。
また、MCTSは常に最新バージョンを対象にした試験内容であるため、最新のスキルを証明できますが、十分な学習教材をそろえ難いのが実状です。マイクロソフトのオフィシャルトレーニングを受講した方が良いでしょう。
なお、2009年の6月30日までは、1度目の受験で不合格でも2度目は無料で再チャレンジできるキャンペーンが実施されています。1度目の受験で苦手分野を明確にして取り組めば合格に近づけるのではないでしょうか。
MCP(Microsoft Certified Professional) / MCTS(Windows Server 2008関連) 試験科目 1科目(70-640/Active Directory、70-642/Network Infrastructure、70-643/Applications Infrastructure)
受験資格 特にない。
料金 1科目15,750円(税込)
試験日/会場 随時/全国主要都市
受験申込 プロメトリック(http://it.prometric-jp.com/)のウェブサイトより申し込み。
有効期間 対象製品のサポート期間終了まで。(追加受験でアップグレード可)
備考 2008年9月よりプロメトリック社による単独提供となっている。
※2008年10月20現在
汎用性が高く更新不要なCompTIA Server+
CompTIAは、特定の製品知識にとらわれない中立的な立場で、実務能力を認定しているIT業界団体です。100カ国以上の機関が参加するベンダーニュートラルな国際資格となっています。
Server+は、PCサーバー分野を対象とし、インストールや設定から問題解決業務に携わる技術者を対象にしています。試験内容は、ハードウェアのインストールからBIOSなどの各種設定、周辺機器の設定のほか、トラブルシューティングに関する知識までが範囲となっています。
問題の30%は、システムバスアーキテクチャやメモリ、SCSIの種類など、一般サーバーのハードウェアに関する知識から出題されます。したがって、PCサーバーに関する知識の基礎固めをするのに効果的です。
主催するCompTIAでは、サーバー関連のインストールや診断、トラブルシューティングにおける18カ月~24カ月の実務経験や、CompTIA A+あるいはCompTIA Network+をあらかじめ取得しておくことを推奨しています。
PCサーバーそのものに関するハードウェア寄りの基盤スキルは、Windows Serverのようにバージョンアップによって大きく変わってしまうソフトウェア寄りのスキルとは異なり、大きく変わってしまうわけではありません。したがって、CompTIA Server+を取得することで、汎用的な知識の証明になります。また、MCTSのように、特定バージョンだけを対象とした認定資格ではないのも魅力であり、上述したWindows Server 2008関連資格と組み合わせて、取得することをおすすめします。
CompTIA Server+ 試験科目 1科目(SK0-002)
受験資格 特にない。ただしCompTIAのベーシックな資格「A+」と同等レベルの知識が必要とされる。
料金 30,404円(税込み)
試験日/会場 随時/全国主要都市
受験申込 プロメトリック(http://it.prometric-jp.com/)、あるいは、ピアソンVUE(http://www.pearsonvue.com/japan/)のウェブサイトより申し込み。
有効期間 無期限。
備考 Network+あるいはA+をともに取得していれば、マイクロソフトのMCSAで、選択科目4科目中1科目が免除される。
日本HP社認定プロフェッショナル・プログラムのAPSやAISで受験の前提条件となる
※2008年10月20日現在
オープンソース技術の普及でニーズが高まるLPIC
LPIC(Linux技術者認定試験)は、Linuxに関する技術スキルを証明する資格です。安価な導入コストと最新性から、オープンソースソフトウェアのLinuxは多くの企業に導入されています。それを反映して、ここ数年は年間約2万人のペースで資格保有者が増加するなど、非常に人気が高くなっているのが特徴です。
LPICのレベルには3段階あり、それぞれ2つの試験に合格することで認定を取得できます。レベル1はLinuxの基礎としてシステムアーキテクチャやインストール、Unixのコマンド、ファイルシステム、X11、TCP/IP、セキュリティなどが範囲となっています。レベル2は、Linuxの高度な内容となっており、Linuxカーネル、起動やストレージのカスタマイズ、ウェブサービスや電子メールの設定などがあります。レベル3は、認証やトラブルシューティング、キャパシティプランニングなどのスキルが評価されます。
実際、現場でLinuxにかかわるなら、導入企業の運用条件に合わせてカスタマイズしなければならないので、レベル2程度のスキルが必要でしょう。したがって、レベル2の取得を目指して、まずはレベル1から着実に合格していくことをおすすめします。
オープンソースのため、ダウンロードして全ての機能を試しながら学習できるのが魅力です。企業システムでLinuxが普及するとともに、今後、ますます注目されること間違いなしのIT資格です。
LPIC(Linux Professional Institute Certified) Level 2 試験科目 2科目(201/Linux応用管理と202/Linuxネットワーク管理)
受験資格 下位資格であるLPIC Level 1の取得者
料金 1科目15,750円(税込)
試験日/会場 随時/全国主要都市
受験申込 プロメトリック(http://it.prometric-jp.com/)、あるいは、ピアソンVUE(http://www.pearsonvue.com/japan/)のウェブサイトより。
有効期間 無期限。
備考 5年以内に同一資格を再受験するか上位資格を取得するよう求められるが、いったん得た資格が取り消されるわけではない。
※2008年10月20日現在
バックナンバー
» No.1 ネットワークといえばこの資格:CCNA/CompTIA Network+
» No.2 データベースといえばこの資格:Oracle Master/DB2 Global Master/MySQL
» No.3 サーバーといえばこの資格:MCP MCTS/CompTIA Server+/LPIC
克元 亮 (かつもと りょう)
ITソリューションのマーケティング、プロジェクトマネジメントに従事。システム開発の現場視点から、SEのスキルアップやキャリア形成を支援する書籍やウェブ記事も企画・執筆。著書は『SEのプレゼン術』『SEの文章術』(技術評論社)、『ITアーキテクト×コンサルタント未来を築くキャリアパスの歩き方』(ソフトバンククリエイティブ)など多数。取得資格は経済産業省情報処理技術者(システムアナリスト、プロジェクトマネージャ、システム監査技術者ほか)、PMPなど。All About『ITプロフェッショナルのスキル』のガイドとして執筆中。日々の執筆や読書について、ブログ『克元亮の新執筆日記』につづる。