短期集中型勉強の繰り返しで400点台から800点目前へ--オトナの試験勉強 TOEIC編
初TOEICは495点……
私が外資系企業に転職して、初めて受けたTOEICの点数は495点。その後の勉強の結果、約3年半後に受けたTOEICは790点となりました。スコアアップの度合いは良い方かもしれませんが、790点という点数で見ると、私自身もまだまだチャレンジ真っ最中です。
http://japan.zdnet.com/sp/feature/08edu/story/0,3800088966,20382268,00.htm
今でも私は英語で仕事が満足にこなせるレベルには達していません。しかし、入社当時と比べれば、世界各国のセールスメンバーやアメリカ本社のプレジデントなどと多少コミュニケーションがとれるようになってきており、実践力も少しは向上しているように思います。
では、あらためまして簡単に自己紹介させて頂きます。私は2004年にセールスフォース・ドットコムという外資系企業にアカウントエグゼクティブ(営業職)として転職し、現在はコーポレートセールス本部で営業部のマネジメントを担当しています。アメリカ本社のSalesforce.comは、ニューヨーク証券取引所に上場しており、世界中に40拠点のオフィスがあります。このようなグローバルカンパニーで、私がどのようにTOEICに取り組んできたかを紹介します。
英語が理解できなかった入社当初
セールスフォース・ドットコムに入社する以前の私は、約10年間日本企業で営業やマネジメントを担当し、英語は一切使わない仕事をこなしてきました。私の英語力のピークは15年以上前の大学受験時。留学経験もなく、海外旅行は4回だけという典型的な日本人です。
セールスフォース・ドットコムに入社して1カ月ほど経った頃でしょうか。アメリカ本社のCEOが来日し、全社ミーティングが開催されました。それなりにゆっくりと話された英語のはずが、ほとんど理解することができなかったのです。10秒間の英語での自己紹介も非常に緊張したのを覚えています。その後、腕試しに初めて受けたTOEICの点数は495点でした。
この時から790点を取得するまでの期間は約3年半となりますが、ずっと英語の勉強をしていたわけではありません。むしろ、ほとんどが勉強していない期間といった方がいいでしょう。残念ながら、外資系だからと言って外国人とのコミュニケーションを積極的に取っていたわけでもありません。正確に言うとむしろ消極的だったくらいです。
何度も英語を勉強しようと英会話の書籍や問題集を買ったり、NHKのラジオ英会話をはじめようと思ったりしましたが、ほとんど手をつけられないまま問題集やテキストがたまるばかり。モチベーションを上げようと英会話スクールにも通いましたが、費用対効果のイメージがもてずに1カ月半でやめました。結局、日々の仕事の忙しさにかまけて勉強せずじまい。だらだらと、通勤中にBGMレベルの英語リスニング(いわゆる集中して聞き取っていないリスニング)を断続的に繰り返していた程度です。
TOEICが昇進の条件という企業も増えてきたようですが、弊社ではそのような制度はありません。従って、TOEICスコア獲得に向けて頑張る必要もありませんでしたが、英語勉強のペースメーカーとしてTOEICを活用してみようと思ったのが受験のきっかけです。
では、勉強せずに自然にスコアアップしたのか? 当然、答えは「NO」です。ポイントは、短期集中型勉強です。私のスコアアップの過程をもう少しブレイクダウンしてみましょう。
1回目ブレイクスルー: 495点 → 575点(実質の勉強期間:2カ月)
2回目ブレイクスルー: 575点 → 670点(実質の勉強期間:1カ月)
3回目ブレイクスルー: 645点 → 790点(実質の勉強期間:2週間)
私の場合、TOEICスコアップのブレイクスルーは3回ありました。上記の「実質の勉強期間」がポイントで、特に3回目は今までの基礎力蓄積+超短期集中勉強で145点アップさせることができました。その時は、休日に問題集を1日で1冊をこなす勢いでした。
多忙だからこそ頑張れる
この体験記を読まれる人は、ビジネスパーソンが多いと思います。仕事が忙しく勉強時間をなかなかとれない人も多いのではないでしょうか。私もまさにそのタイプです。外資系企業に転職して以来、「英語を勉強しなくては」と思いながらも、優先すべきは日本国内のお客様を相手にする営業の仕事で、毎日遅くまで仕事に明け暮れてきました。ただ、結果的にはこのスタンスが仕事にしても英語にしても好循環となりました。短期集中によるTOEICスコアアップも、仕事が多忙だからこそ頑張れたのだと思います。
私は、忙しいビジネスパーソンの方がむしろTOEICで短期スコアアップできる可能性が高いと思っています。例えば、モチベーション設定力、目標達成への高い意識、仕事を頑張る力などは、ビジネスパーソンの大きな武器なひとつです。これをTOEICに生かさない手はありません。
実は私自身、「TOEICスコア獲得は、仕事での目標達成の方法と同じ」と考えていました。その方法とは、以下のとおりです。
高い目標を設定する
現状を知り、ギャップを知り、分析する
目標達成の期日を決め、ブレークダウンした達成シナリオを作る
モチベーションをコントロールする
短期集中型で実行する
まさに仕事と同じです。特に営業マンにとっては、営業目標数字達成の取り組み方そのものです。上記の5つのステップは、当たり前のように見えますが、意識して実行することは大変難しいものです。正直私も、495点から790点までを一気に実現できたわけではありません。前述した3回のブレイクスルーの結果、実現したものです。
では、スコアアップのための具体策をもう少し詳しく紹介しましょう。
1. 高い目標を設定する
高い目標を達成するためには、通常のダラダラとしたやり方ではダメ。工夫した手法が必要
あまりにも先だけを見続けると挫折する可能性が高いため、マイルストーンを設定し、進捗の達成度を味わいながら進める
他の人に目標スコアを宣言する。できれば会社の仲間や先輩など複数人に公言することで、自分を追い込む
身の程知らずかもしれませんが、私は495点の時点から一気に900点を取る意識で取り組みました。ただ、次に受けた試験の結果は575点。先を見すぎていたため、ここで気が抜けてしばらくブレーキがかかってしまったという失敗体験もあります。そのため、マイルストーンを設定することをお勧めします。
また、会社の仲間約10人に対し、TOEIC目標スコアの宣言をしたことは、私にとってスコア獲得の大きな要因の1つになりました。670点取得直後に受けたTOEICは、勉強期間が短かいせいもあって645点と、実力の停滞も感じました。そこで目標を700点にしようかと思いましたが、どうせやるならと800点の目標を宣言しました。
結果10点足りないのは悔しいですが、700点を目標にしていたら700点前後しか取れなかったでしょう。途中で勉強をやめようと思ったこともありましたが、最後まで追い込みがきいたのは「皆に公言してしまったから」です。
2. 現状を知り、ギャップを知り、分析する
自分の現状と実力を知らずして、目標達成することは不可能。ギャップを認識して、何をどれだけ埋めるか理解することが出発点
この段階では、公式問題集や本番TOEICテストをとにかく受験することです。さらに重要なのは、受けた結果で一喜一憂するよりも、自分がダメだったポイントをできるだけ思い出すことでしょう。問題のひとつひとつを思い出すのではなく、まずは感覚的なものでいいと思います。
例えば、「リーディングの時間が足りなかった」と感じたら、その要因を考えます。「長文を何回も読み返しすぎたせいだ」ということがわかったら、対策として設問の先読みと返り読みをなくすよう意識し、一発で答えを見つける練習をすればいいのです。また、「長文リスニングの途中でパニックになって全然わからなかった」場合、対策として設問のスピード先読みを練習し、何を意識して聞くべきか押さえる練習をすればいいのです。
その上で、わからない単語が多すぎたのであれば、当然ですが単語を集中的に覚えます。短い文でも聞き取れないことが多ければ、CD付きリスニング問題集で音や意味がとれなかったところを繰り返し聞くなどして対策を考えます。当たり前のようですが、漫然と勉強するのではなく「意識して」勉強すると、吸収力や効率が全く変わってきます。
また、TOEIC対策問題集を解いてみると、ひっかけ問題なども含めてより詳細な分析ができます。私の場合、「設問の先読み」はスコア獲得目的のみのテクニック(=邪道)だという意識があって実施していませんでしたが、これは絶対にやるべきだと思います。というのは、実践の英語でも、「どんなテーマなのか、何を聞き取り理解したいのか」があらかじめわかっていることが多いためです。つまり、集中して聞き取る練習は実践にも活用できるので、初中級者は邪道とは思わず「設問先読み」をやるべきでしょう。
3. 目標達成の期日を決め、ブレークダウンした達成シナリオを作る
期日がないと、だらだらと過ごすことになる。スケジュール入りで、しかも具体化されたシナリオとやり方を設定する
完璧に予定通りにはならないので、修正する柔軟性も併せ持つことが重要(修正しすぎるのもダメ)
このステップでのポイントは、5.の「短期集中型で実施する」にもつながります。本来、英語は少しづづでも毎日続けることが一番大事と言われています。私もまさにその考えを推奨しますが、正直私は実践できていません。これは今後の私の課題です。そのような方でも、まずは1カ月や3カ月といった短期間だけ頑張ることならできるのではないでしょうか。
この達成シナリオの中で、私が利用してきたお薦めの参考書や問題集をピックアップして紹介します。
フェーズ1:基礎力をつける
単語とリスニングについては、「TOEICテスト新・必修単語」(ジャパンタイムズ、ナラボープレス 共著)を使いました。単語とTOEIC形式のリスニングに同時に取り組めるため、時間の節約になります。もしこの単語集が難しすぎる場合は、別の基本単語集をさっと終わらせてから取り組んでもいいでしょう。
この単語集の活用ポイントとしては、1章×1日=7日間でまずは1冊(1回目)を終わらせてしまうことです。1回目は、見出し単語と例文のチェックを中心とし、スピード重視でこなすこと。完璧暗記にこだわりすぎてなかなか前に進まず挫折するという最悪のパターンだけは避けたいところです。「忘れてもOK、あとでまた復習するから」のスタンスが大事ですね。
具体的には、
耳で1~2回聞いてみる。その際には、どこが聞けなかったのかを意識する程度でよく、多くの時間をかけない
単語とスクリプトをチェックする
見開き1ページに5分程度かけ、わからなかった所を覚える
最後にもう一度リスニングと単語をチェックして、覚えられなかったところを蛍光ペンでマーキング(本文中の単語もチェック対象とする)
翌日復習する。リスニングを流して、再度チェックして覚えられなかったところを再マーキングして覚える。そして次の章へ進む
これを繰り返します。
リスニングについては、「できるだけ英文を見ずに何回も聞く」ことが大切だと言われていますが、私の場合、これで前に進めず勉強を挫折した経験があります。そこで、この基礎力フェーズ(初級者)では知らない単語も多いため、まずスクリプトを見て文の構造と意味を頭に入れてから、何回もリスニングして頭から理解する練習をすればいいと思います。「できるだけ英文を見ずに何回も聞く」のは、その後の実践フェーズからで良いというのが私の実感です。
リスニングではもう1冊「究極の英語学習法 入門編」(アルク)を活用しました。前半1分程度のリスニング素材を、本書の英文構造の解説を見ながら徹底的に理解し、毎日何回も同じ素材をリスニングするのです。時間に余裕があれば、シャドーイングなど本書のやり方どおりに取り組んでいいと思いますが、時間なければ上記のスタンスを1カ月毎日実施する方がいいと思います。
次に、文法は「TOEIC TEST文法完全攻略」(石井辰哉 著)を使いました。まずは問題を解かずに読み物として読み、2日~4日以内に重要そうな所を蛍光ペンでチェックします。あとはチェックの復習です。この後、文法問題集に取り組んだほうがいいでしょう。
フェーズ2:TOEIC実践力を養う
2回目のブレークスルーを実現した大きな要因は、以下の問題集を活用したことです。
「新TOEICテスト1週間でやりとげるリスニング」(中村澄子 著)
試験前日の1日で1冊をこなしました。完璧にはできていませんが、先読み練習の効果は抜群です。
「TOEIC TESTリーディングの鉄則」(中村澄子 著)
これも試験前日の1日で1冊を、7割程度の出来で終わらせました。問題を解くスタンスが理解できました。
3回目のブレークスルーの要因は以下の問題集です。TOEICの点数を本当に短期間で取得すべき方は、最初からこちらを活用することをお勧めます。
「短期集中講座!TOEICTESTリスニング」(柴山かつの 著)
TOEICの長文リスニングに取り組む上で、非常によくできています。これも試験直前の2日間で終わらせて、残り1日程度でざっと復習しました。
「新TOEICTESTリーディングスピードマスター」(成重寿 著)
これも同じく、試験直前数日前に1冊を1日で終わらせました。私の場合、TOEICではいつもリーディングに足を引っ張られ、毎回20問ぐらい時間が足りずに解ききれていませんでした。この本のおかげで解き方のコツがわかり、スコアップに大きく寄与しました。
私は、上記の問題集に約2日間程度で取り組んだため、復習などの徹底勉強はできていません。また、文法問題については、前述の「TOEIC TESTリーディングの鉄則」以外の勉強はできなかったので、文法のスコアは良くありませんでした。
逆にいうと、これらの問題集を超短期集中型で実施しただけで大幅スコアップができたので、もう少し時間をかけてしっかりやれば、さらに効果が出ると思います。もちろん私も、次回TOEICを受験する時にはもう少ししっかり取り組みたいと思います。ただし、繰り返しになりますが、ダラダラ進めてしまうと1冊を終える前に挫折しますので、7~8割を一気に網羅した後で復習することが大事だと思います。
4. モチベーションをコントロールする
高い目標であればあるほどモチベーションコントロールは欠かせない。自分を追い込んだり、英語に触れる機会を有効に活用する
私自身、TOEICスコア獲得そのもののメリットは正直ありません。あくまでも個人的なペースメーカーとして活用しているだけです。やはり自分は英語を使ってどうしたいかという本質的なモチベーションをしっかりと持つことが大切だと思います。もちろん、どうせ受験するなら、ゲーム感覚で短期間に高得点を目指すという「直接的な気合」も必要です。
私が英語勉強に追い込まれる大きなきっかけになったのは、世界各国のトップパフォーマーで構成される会議メンバーに選出され、会社の成長を加速するための議論に参加するというミッションを与えられたことがきっかけです。これは大変貴重な機会でした。3日間程ニューヨークのホテルに朝から晩まで缶詰状態です。英語ができないことを痛感しましたが、なんとかコミュニケーションを取る努力をし、世界各国の優秀なメンバーと知り合うことができたのは大きな収穫でした。
さらに、年間目標を達成すると参加できる豪華なハワイ旅行にも毎年行けるようになり、世界各国のアカウントエグゼクティブやマネジャー達と「来年もハワイで会おう!」と励まし合っていることも非常に良い刺激です。
5. 短期集中型で実行する
やるべきことを効率よく短期集中型で繰り返して実行すること
長期間集中するのは難しいことです。特に私は、毎日コツコツ努力を続けることが苦手だったので、短期集中を繰り返す手法を取りました。
私が英語の勉強を開始する時間は大抵夜中12時以降で、短期勉強を決めた期間は睡眠時間を削って勉強していました。集中するためにマンガ喫茶に夜中に入り、気づくと朝5時ということもありました。また、休日も最低5時間以上は勉強時間を確保しました。完璧をめざさず、8割をめざす感覚での短期集中は、長続きしない人にもお勧めです。また、短期で基礎力がつけば、その後の吸収力と伸び率も違ってきます。
TOEICでハイスコアを目指す方は、短期間のゲームを楽しむ感覚で、上記ステップを意識して実施してみてはいかがでしょうか? 仕事でのパフォーマンス追求と英語勉強の両立スタンスは、双方の効率と集中力向上という観点でも役立っていると思います。
以上、多少でも皆様のヒントになれば幸いです。英語力向上にむけて、一緒に頑張りましょう!
勉強ツールとその活用度 「TOEICテスト新・必修単語」ジャパンタイムズ、ナラボープレス 共著(活用度70%)
「短期集中講座! TOEIC TESTリスニング」柴山かつの 著(活用度70%)
「新TOEIC TESTリーディングスピードマスター」成重寿 著(活用度70%)
一通りこなして非常に良かったのですが、復習があまりできていないという点が活用度のマイナス評価部分です
期間中の焦り度 90%
勉強熱心度 90%
結果 495点(2004年)→ 790点(2008年1月)
結果満足度 80%
超短期間での145点アップ、790点獲得はうれしいですが、復習を含め絶対勉強量の不足で800点に達しなかった点がマイナス評価