[業界人コラム]ITによる組織営業力の強化
中国営業最前線(1)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2008&d=0506&f=column_0506_003.shtml
中国で営業をしている日系企業にとって、組織を愛し、顧客のために現場の情報を経営トップに報告してくれる、自発的な行動で下から営業改革を立案・実行し業績を上げてくれる、そんな夢のような営業マンがいてくれたらと思うことは多いだろう。
サーチナ総合研究所調べ(中国全土2000人に調査)によると、「仕事に不満がなくても転職や独立をしたいか」との質問に対して、「賛成が63.9%、賛成しない人が15%未満」という結果がでている。就任したばかりの建材メーカーの総経理は「今までのデータを見ると2年で全ての営業マンは入れ替わっている。話しには聞いていたが、営業マンが辞めれば一から教育しなければならない。本社からは売上倍増を言われ、大変だ」ともらす。
現地企業向け営業を推進するベテラン日本人営業部長に聞けば、「営業マンはどこでなにやっているかは分からないが、基本的に売上しか見ないので問題はない。競合他社に情報を流している営業マンもいるようだが、売上を上げなければ自然に淘汰されるため、そういう営業マンはいつかいなくなる」という割り切った管理をしている日系企業もある。
弊社ソフトブレーン上海は、ITによる組織営業力強化のコンサルティングサービスを提供している。弊社の営業支援システムの導入が決まった企業の叩き上げの営業マンが真顔で「このシステムで情報共有するなら、自分は正しい情報を絶対入れない。他の営業マンに邪魔される恐れがあるからだ」と言う。日本ではあまりないが、中国では営業マンが在職中に転職活動をして、契約が切れた翌日から競合他社に勤務する“事件”も日常茶飯事である。
しかし、こんな状態を放置したまま、トップ営業マンが突然辞める“事件”が起きれば、既存顧客や商談中の顧客に迷惑を掛けるばかりか、将来の大切な見込み客まで競合他社に、トップ営業マンの転職と共に流れていってしまう。幸か不幸か、売上しか見ていなければ、競合他社に奪われている“現場”すら、知ることができないかもしれない。
弊社システムを導入した企業の責任者の方が、「営業マンがこのシステムを利用することにより、現場の情報を組織に吸い上げると共に、属人的営業に対する意識を変えさせる。自発的・組織的になった意識により、さらにシステムを進化させ、そこに蓄積された情報を分析し、顧客の行動特性を把握し、各顧客が必要とする営業活動を実践すること」と導入目的を語った。
このコラムでは、中国の営業現場を奔走しながら、ITによる組織営業強化の可能性について、読者と共に考えていきたい。
筆者:宮原武史(みやはらたけし) 、軟脳軟件北京有限公司董事・上海分公司総経理
提供:ウェネバービジネス