【27歳、OL6人物語】27歳、事務職5年、未経験でも転職できますか?(第5回)
■今回の主人公 ゆかり
共学の大学を卒業後、大手建築会社で営業アシスタントをしている。もともと集団行動が苦手な性格のため、休日は彼氏もいないのでほとんど一人で過ごしている。社内の女子はランチを一緒に食べようね文化が入社5年目にしてウンザリし始めている自分に気がつく。家具を見るのも好きで、お気に入りの北欧家具のショップがある。学生時代テニスは結構うまくて、常にレギュラーだった。大体のことをソツなくこなせるが、その分ガマンも多く、ストレスがたまってしまいやすい。
http://news.livedoor.com/article/detail/3531106/
*この物語は高校時代のテニス部の同級生、真理子、美紀、純子、千夏、ゆかり、優美の6人それぞれが主人公としてオフィスの様子や仕事の悩みを展開していきます。詳しいプロフィールはこちら
「俺、新しいやつで見積もり頼むって言ったよね?」
三浦さんは顔を真っ赤にして、下を向いて黙っている。私は慌てて席を立った。
「あの、牧田さんが昨日、『いつものやつで』とおっしゃったので、三浦さんにそうお願いしたんです」。
この営業部では、私以外の女子はほとんど派遣社員だ。だから、どうしても事務処理は私が仕事を振ることになる。つまり、誰かのミスは、私のミスだ。
「そんなこと言ってないよ。仮に俺がそう言ったとしてだよ、気づかなきゃいけないんじゃないの? まさか、内勤だからって、新機種が出たって知らないわけないよね?」。
「すみません。古い機種を希望されるお客様もいると聞いていたもので…」
「とにかく俺はすぐに外回りに行かなきゃいけないの。どうすんの?」すぐに、と言っている割に、牧田さんの話は20分も続いた。
昼食から戻った牧田さんに見積もりを渡すと、私は遅い昼休憩に入った。牧田さんのお説教にはうんざりだけど、私は一人でランチに行くことになって、内心ホッとしていた。
私は女の子の群れが苦手だ。芸能人の噂話や化粧品といった、毎日繰り返される話題についていけない。派遣の子たちが私に微妙に気を使ってくれるのもつらい。
三浦さんが買っておいてくれたお弁当を受け取ると、会社の近くの公園に向かった。無性に新鮮な空気が吸いたかった。それと、煙草も。コンビニで昔吸っていた銘柄と100円ライターを買った。前の彼に嫌な顔をされて以来、4年もやめていたのに。
「近田ってタバコ吸うんだ。知らなかったよ」。
名指しに驚いて顔を上げると、ベンチの隣に宮本さんが座っていた。
「あ、お疲れさまです」。
一瞬、「ずっと禁煙してたんですけど」と言おうかと思ったが、やめた。
「宮本さんって、前はどんな仕事してたんですか?」
私より5つ年上の宮本さんは、うちの会社には珍しい転職組だ。
「今と同じ、営業だよ。まあ、売るものは違うけどさ」
「何を売ってたんですか?」