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意外と知らない「退職」という儀式

転職する際に重視することは何か。給料、希望職種、経営者のビジョンや方針、スキルアップ支援など。しかし、いざ転職する場合に、そんなこととは関係なく、思いもよらぬことで転職を断念しなければならないことがある。そんな例を、毎回キャリアデザインセンターのキャリアコンサルタントが紹介する。 [平岡健,ITmedia]

2008年02月26日 17時00分 更新

http://www.itmedia.co.jp/career/articles/0802/26/news002.html

 「転職」をする人は必ず退職を経験します。退職手続き自体は大半の企業が事務的ではありますが対応してくれるので、特別な知識がなくとも、問題なく「退職」できます。しかし、それはあくまで事務的なことであって、実際には退職にかかわる「保証」という、知っておいて損はない退職のノウハウが存在するのです。

 今回は、意外と知られていない、退職時のノウハウをお話ししましょう。

苦労して得た自動車と転職先

 石川氏(仮名)は大手通信キャリアで働くエンジニアです。あこがれであったコンサルタント職を目指し転職を決意。私のところに相談に来られました。初めての転職ということで苦労しながらも努力の結果、無事希望の企業からオファーを勝ち取ることができました。

 ほっと一息の石川氏ですが、まだこれで転職活動が終わったわけではありません。そう、退職というステップを踏まないといけないのです。ところが石川氏は新しい環境のことで頭がいっぱいで、退職に関しては特別何かをしたわけではありませんでした。石川氏は賞与をもらって退職し、7月1日から新しい会社で働くことを決めたという連絡を私に残した後、少しの間音信が途絶えてしまいました。どうやら旅行に行ったようです。私は少し不安になったのですが、その予感が的中してしまうことになります。

退職時に陥りやすいワナ

 6月中旬に旅行帰りの石川氏から連絡がありました。電話の向こうから石川氏の動揺を感じることができました。どうしたのか尋ねると「なぜか賞与が異常に少ないんです。確か去年の冬はこの金額の倍はもらったはずなのですが、何かの手違いではないかと思うんです」というのです。そう、退職時に陥りやすいワナに石川氏が陥った瞬間でした。

 石川氏のように賞与をもらった直後に会社を辞めるのは、転職の慣例のようになっています。ただ、あまり知られていませんが、賞与の概念は(1)いままでの労働に対する報酬、(2)これからの労働に対する奨励という意味合いがあり、そのために退職が決まっている人に支払われる賞与は通常より少なくなるケースが多々あります。

 これは後から分かったことですが、石川氏は自動車が趣味で、退職前に新しい自動車を購入したそうです。高額だったので、ボーナス払いを組み込んだローンで購入。毎月の給与で少しずつ返済し、ボーナスである程度まとまった金額を支払うローンを組んだのです。

 石川氏の給与であれば、生活に困ることはありません。しかし、今回の予想以上に少ない賞与ではボーナス払いが非常に厳しくなったのです。石川氏は冬の賞与はこれぐらいだったから退職時の賞与も……、という皮算用をしてしまい、それを前提に自動車を買ってしまったのです。

 皆さんにも注意してほしい点は、賞与支給は(1)支給日に在籍している社員に支給する、(2)賞与は査定対象期間の在籍者に支給するという2つのパターンがあるということです。

 賞与の査定期間はきっちり働いているのだから、その後会社にいなくても賞与をもらう権利があるはずだ、と考えてしまいがちですが、もしあなたのいる会社の就業規則に、賞与は在籍している社員にしか払われないと書かれていた場合、数十万円(もしくは数百万円)がもらえないということになります。よほど裕福な方でない限り痛い話です。

         

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