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近所の「かかりつけ医」を目指したい

自分にとっての理想像は、近所のかかりつけ医になることという。そもそも彼がなぜ、ITのかかりつけ医への道を目指すようになったのだろうかか、そのために決断したこととは?[加山恵美,ITmedia]

2008年02月22日 18時22分 更新

http://www.itmedia.co.jp/career/articles/0802/22/news097.html

今回の転職者:神谷太郎さん(27歳)

大学卒業後、中堅システムインテグレータ(SIer)に就職。そこで4年間、オープン系を中心にシステム開発や保守などを経験した。より顧客に親身に接する立場を希求していく中で、@ITの記事を通じて知った人材紹介会社に自ら連絡、転職の相談をした結果、2006年11月からスカイライトコンサルティングに転職。


理想像、実は嫌いな「コンサルタント」だった

 神谷さんは、業務の本質的な効果や顧客との信頼関係を真剣に考えるようにしてきたという。また、修羅場となったプロジェクトでも仕事を続ける忍耐強さや体力もある(それがいいことかどうかは別にして)。いくつかのプロジェクトを経験するうちに、現状の仕事に対する疑問や将来の理想像などを考えるようになってきた。

 理想で思い描いたのは「かかりつけ医」だった。顧客の傍らにいて問題があれば診断し、誠実に実効性のある対処を施すプロフェッショナルが、神谷さんの理想像だ。

 入社して4年が過ぎたころ、本分にとっての理想像は、近所のかかりつけ医になること。彼がなぜかかりつけ医への道を目指すようになったのか、そのために決断したこととは?腰を入れて転職を考え始めた。@IT自分戦略研究所の記事を通して知った人材紹介会社に連絡して転職の相談をしに行くと、最初に紹介されたのがスカイライト コンサルティングだったという。その際に紹介された同社の持つビジョンに深く共感し、応募を決めたという。

 神谷さんはかねてより「『コンサル』はちょっと……」と、コンサルタントには、いいイメージを抱いていなかった。だが同社で自分の思い描いた役割を実践するのがコンサルタントであると知り、考えを改めたという。

 「顧客のために手を尽くす役割を『コンサル』と呼ぶのであれば、喜んでそれを目指したい」

アルバイトで「働くのが楽しい」

 神谷さんがパソコンに初めて触れたのは中学生時代。「私は中学校の技術・家庭科でパソコンを習った初めての世代です。金属の板を曲げてちりとりを作成した翌週がパソコン実習でした」と笑う。授業は初年度のせいか試行錯誤が多く、神谷さんにとって消化不良のまま終わった。

 そのせいか、高校の入学祝いにパソコンを親におねだりした。とはいえ、パソコンは「高級なおもちゃ」感覚だった。インターネットはまだ普及しておらず、ちょっとゲームをするのがせいぜい。しかも「動かない」ことが多く、設定で試行錯誤するばかりだった。

 これでは高校生の神谷さんがパソコンにのめり込めなかったのも無理はない。高校生時代、神谷さんはパソコンよりも部活動やアルバイトの方が楽しかったと語る。バイトは、ゴルフ場の球拾い、棚卸し作業、コンビニエンスストアでの作業など、さまざま仕事を経験した。神谷さんにとっては、社会を経験し仕組みを知ることが面白くて仕方なかったようだ。

 それを神谷さんは、「ただお金が欲しいというよりは、働くことが楽しかったです」と述懐する。

 ただし高校生ではできないバイトもあった。当時神谷さんがやってみたかったバイトが、パソコン講師だった。あるとき求人を見つけて思いきって連絡してみたが、「高校生では」といわれ、すぐに断られたという。

パソコン講師に天職を見いだす

 大学入学後もバイトに精を出した。大学2年のある日、求人広告に「パソコン講師募集」の文字を発見した。勤務地は隣町で好条件だった。募集しているのは個人経営のパソコン塾で、「これなら採用してもらえるかも」と思い飛びついた。

 「即座に履歴書を書いて応募しました。まだネクタイもうまく締められないのに、スーツを着て面接に行きました」と神谷さんは笑う。そして、運良く採用された。

 そのバイトで、運命の出会いがあった。とある企業で経理を担当する年配女性にパソコンを指南したことだ。まったくのパソコン初心者で、電源を入れるところから丁寧に指導した。週に1回の指導を数カ月ほど続けるうちに、彼女はおよそ一通りのことができるほどまで上達した。

 そのうちに彼女は実践的なことに興味を持ち始めた。給与の管理をパソコンでできないだろうかと相談を持ち掛けてきたのだ。おおよその業務内容は教えてもらったが、まだ大学生の神谷さんにはさすがに給与システムの提案や構築は難易度が高すぎた。

 しかし自宅に戻り、表計算ソフトで簡単なマクロをつけたシートを作成してみた。サンプルの1つとしてその女性に見せたら、とても喜んでもらえたという。

 彼女は、このマクロを実務で利用したそうだ。このときの達成感と充実感が、その後の神谷氏に大きな影響を与える。

中堅のSIerに就職先を定める

 就職先が決まったのは4年生の春だった。神谷さんの専門は工学部の物質工学だったが、物理や化学にあまりこだわることなくシステムエンジニアで職を探した。パソコン塾で経験を積むうちに、自力ではできなかったシステム開発など挑戦してみたいと考えるようになったからだ。

 「当時はIT業界の仕組みや職種をよく把握できていませんでしたが、就職先はIT業界と定めていました。それでいろいろと調べてみたら、自分がやりたいことは『システムエンジニア』だと思ったのです」と神谷さん。

 まずは目標をシステムエンジニアに定めた。なお会社規模の意向を聞くと、「大企業は『歯車』になるイメージがあったので遠慮しました」。そこで目標を中堅のSIerに決めた。では、内定先を決めた理由は何だろうか。神谷さんはそれを、親しみやすそうな企業だったからだという。

最初のシステムはカットオーバー後に大混乱

 新人研修はおよそ3カ月。ビジネスマナーに始まり、基礎的なITスキルを学んだ。当時はまだJavaに注目が集まり始めたころだった。新人研修では、PHPやMySQLなどを用い、簡単なWebアプリケーションを構築することも行った。ここから本格的にIT技術を会得するようになる。

 最初にかかわった開発現場はかなり混とんとしていた。神谷氏は「新人だったので状況がよく把握できていなかったのです」という。

 そのシステムだが、カットオーバーしてみたらトラブルが噴出して大変な状態に陥った。先輩と一緒に顧客の会議室に呼び出された。緊迫した雰囲気の中、次のような言葉が飛び交っていた。

 「全社にFAX送信だ。すぐだ。2分で流せ!」

 新人の神谷さんにもシステムトラブルが業務に深刻な影響を与えていることはひしひしと伝わってきた。システムが不完全だと顧客に多大な損害を与えることを痛感し、責任感から心が痛んだ。

大成功パターンの後、再び修羅場に身を投じる

 次に携わったシステムは小規模であったが、システムは工場のワークフローを自動化するものだった。プロジェクトを実質的に主導し、成功に導いたのは、現場で働く顧客側の若手社員だった。

 「帳票を8割削減」「画面に必要な機能は」など、目標を明確に掲げていた。仕様も明確で開発側はとても仕事がやりやすかった。納期には問題なく間に合った。ここで「普段からこういう仕事をしないといけないのだ」と理解した。

 成功パターンで自信を持ち、精神的にも余裕ができた。そのころ、社内で問題がくすぶりそうなプロジェクトのうわさを耳にした。少しすると大方の予想は的中し、プロジェクトは火だるま状態になった。

 すぐに応援の要請が社内に回った。社内では「誰が指名されるか」と戦々恐々だったようだ。そんな状況の中、神谷さんは自ら手を挙げた。なぜ立候補したのか。

 「『自分の力で火を消してやろう』とは思っていませんでした。しかし修羅場に飛び込んだら、何かが見えるのではと考えました。それに当初は『2週間のみ』のアサインでしたから、過酷でも短期なら耐えられると思ったのです」

 うわさには聞いていたものの飛び込んでみたら、やはり現場は混迷を究めていた。「もう、誰に聞いても要領を得ないのです」と、神谷さんは苦笑する。

 神谷さんは同僚とともに検証を担当した。混とんとした現場で、暗中模索で検証を試みた。「おそらく、こう機能しなくてはならないだろう」と予測しながら検証し、不具合を列挙し、可能な限り改善点を明示した。

 もしかしたら「焼け石に水」だったのかもしれない。応援部隊は任務から解放された。神谷さんには納得がいかなかったが、だからといって現場に戻ってもどうにもならない。それに徹夜が続いて疲労もかなり蓄積していた。10日ほど休んで職場に復帰した。

何か疑問を感じるようになってきた

 次のプロジェクトで、初めてチームリーダーとなった。「コンサルタントが理想像を示し、それを基にシステム開発に着手しました。しかしシステムの具体論となるとなかなか現場が納得せず、仕様があいまいなまま開発が進んでいました」と神谷さん。いわば「総論賛成・各論反対」のごたごたがいつまでも続いていた。

 神谷さんは理不尽さを感じたという。「このシステムって何?」と意気消沈した。

 このころ神谷さんは社会人4年目を過ぎ、システム開発や業務の進め方、IT業界の仕組みもおよそ理解できるようになっていた。システムエンジニアとしての仕事自体は達成感があった。だが、何かが分からなくなりかけていた。

 それは、システム開発が企業にもたらしたメリットやデメリットが、正当に評価されているかどうかだろうか。ただ、漠然と「システム開発を行う」という顧客との関係性の希薄さに、むなしさを感じるようになっていたのかもしれない。

 「自分は何に対して対価をもらえたら満足するのだろうか」を神谷さんは考えるようになった。

初回の面接で「ここがぴったり」と提示される

 自分の将来像が見えてきたところで、「そろそろ転職」と思い始めた。もともと一生同じ企業に勤めるとは思っていなかった。ただし、明確な根拠はなかったが、「最低でも3年間は最初の企業で経験を積もう」と考えていた。といって、勤めていた企業が嫌になったわけではなかった。ただし、社会人として4年目を迎え、次のステップを模索する時期だと感じていた。

 そして@IT自分戦略研究所の記事を読んでいるうちに見つけた人材紹介会社(クライス&カンパニー)に、転職の相談をすることにした。クライス&カンパニーの転職コンサルタントとの面談では、これまでの仕事や、仕事を通じて考えたことなどを率直に話した。神谷さんはこう話す。

 「最初は普通に話を聞いていたコンサルタントが、途中からいかにもうれしそうに笑って、『なるほど、なるほど』などと繰り返しているのです。初回は軽く話して、後で候補をもらって、また何回か相談を繰り返して、なんていう段取りを予想していました。ところがです」

 初回の面接で、いきなりスカイライト コンサルティングを提示された。コンサルタントは「あなたにぴったり」と自信を持って勧めてくれる。神谷さんはあまりの展開の速さに戸惑うほどだった。これまで耳にしたことのない企業だった。「どんな企業なのかも分からないうちから、そんなに強く勧められても……」と、実感が持てなかった。

 そのため半信半疑のまま帰宅し、後日同社の転職セミナーに参加した。するとコンサルタントが推薦した理由が分かってきた。会社のビジョンや姿勢が「我が意を得たり」と感じられたからだ。

誠実に、顧客のために役に立ちたい

 思えば神谷さんにとって最大の成功体験であり理想像とは、パソコンの出張講師で経理の女性に簡単なワークシートを作成したことかもしれない。

 「顧客とITエンジニアだと会議室で机を挟んで向かい合うような関係ですが、私は隣に並ぶという関係でありたいのです」と神谷さんは話す。

 同社の採用面接を繰り返すうち、より強く相性の良さを確信した。神谷さんが求める姿を明確に打ち出し、「愚直なまでに実践している」ところが心をとらえた。まさにドンピシャだったと感じた。

 神谷さんは顧客にとっての「かかりつけ医」になりたいとイメージしている。大学病院のような大企業ではどこかむなしい。顧客の声や具合をよく把握し、的確な処理を施せるようなプロフェッショナルでありたいと願っている。今後は顧客との信頼関係や親密さを大切にはぐくんでいくことだろう。

担当コンサルタントからのひと言~クライス・アンド・カンパニー 半藤剛

 神谷さんにお会いして感じたのは、しっかりした方だということです。お人柄はもちろんのこと、これまでの仕事への取り組み方やクライアントに対する考え方など。クライアントに、会社に、そして自分自身にコミットした業務への取り組み方に、私は強く共感しました。

 候補者の皆さまとのご面談では、まずキャリアについてどのようにお考えなのか、なぜいま転職をお考えなのか、これからどうしていきたいのか、といった点をお伺いしています。神谷さんのお話を伺うと、いまの環境に対する不満というよりは、窮屈な感覚が大きいのではないかと感じました。

 転職先という意味で、仕事・会社に対する明確なイメージをお持ちということではありませんでした。ただ、これまでの仕事でどのようなことに喜びを感じてきたか、どのような点が物足りないと思っているのか、大切にしていることは何か、といったお話を伺う中で、私の中で確信を持ちました。

 スカイライト コンサルティングの事業内容や実際に入社いただいた後の業務のほかに、採用や人材に対する考え方、理念といった内容を特に重視してお伝えしました。神谷さんにとっても企業にとっても、ここが一番のキモになると思ったからです。実際に面接などを通じてスカイライト コンサルティングのことを知るほど、神谷さんのご興味もさらに強くなりました。結果、相思相愛の形で入社が決まったことを、とてもうれしく思っております。

 これまでのシステムエンジニアから、新たにコンサルタントとしての第一歩を踏み出されました。神谷さんの目指すキャリアを実現するためにも、ベストな環境であるといまでも確信しております。コンサルタントとして成長された神谷さんにお会いするのを、いまから楽しみにしております。

         

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