第3回 急な異動命令! そのとき……
ITエンジニアは、どのような理由で転職を考えるのか。いくつかの事例から、転職者それぞれの課題と解決のプロセスを紹介する。似たような状況に陥ったときの参考になるだろう。[アデコ 福間啓文,ITmedia]
http://www.itmedia.co.jp/career/articles/0802/28/news001.html
2008年02月28日 10時00分 更新
会社という組織に属していると、「異動」や「転籍」という転機を経験することもあると思います。
その異動が自分自身のキャリアビジョンに沿うものならば、大きなチャンスになるでしょう。しかしなかなか希望どおりにはいかないもので、このことが原因で転職を考える人も多いですね。
今回は、急な異動命令を出されたために転職を考えたあるITエンジニアのケースを紹介します。
オープン系のシステムにかかわりたい
木戸さん(仮名)は33歳のITエンジニアです。新卒で金融系に強みがある中堅システムインテグレータ(SIer)に入社しました。
研修後はA証券会社の基幹系システム(メインフレーム)の運用・保守プロジェクトに配属されました。持ち前の向上心を発揮し自己啓発を絶やさず、順調に開発・設計の経験を積み、一部基本設計にもかかわりました。
5年目には10~15人月程度のプロジェクトのリーダーとして、工程・品質・ベンダ管理を任されるまでになりました。
順調にキャリアを積み上げているように見える木戸さんですが、実は本人はこのころから、1つの大きな不安を抱えるようになっていました。それは「オープン系システムに関するプロジェクトの経験をしていない」ということです。「このままでは将来、ITエンジニアとして行き詰まるのでは?」。木戸さんはそう考えるようになっていました。
そこで木戸さんは上司に対し、「オープン系システムにかかわりたい!」と明確にアピールし始めました。定期的に異動願いも出していたとのことです。
ただ会社の立場としては、顧客の評判がいい木戸さんを別プロジェクトへ簡単に異動させることは難しく、時間が過ぎていきました。しかし木戸さんの熱い思いがやっと実を結び、クレジットカード会社の顧客情報システムをUNIX環境で開発するプロジェクトに配属されました。
急な異動命令にびっくりして
それから半年が過ぎたころ、会社から急な異動命令が木戸さんにいい渡されました。
きっかけは、B証券会社の大型プロジェクト(受注時はメインフレーム環境)を受注したことでした。会社には、何とかそのプロジェクトを成功に結び付けたいとの思いがあり、実績と顧客の評判、社内の各プロジェクトの状況も考え合わせ、メインフレーム環境の開発経験が長い木戸さんに白羽の矢が立ったのです。
木戸さんは急な命令に仰天しました。「やっとの思いでつかんだチャンスなのに、また以前の環境に戻されるのか……」。そして落胆すると同時に少々感情的になり、「この会社にいては自分のしたいことができない」との思いが強くなったのです。
その後間もなく、木戸さんは上司の引き留めにもかかわらず退職しました。そして転職活動をしていましたが、なかなかいい結果に結び付かず、あるとき私が話を聞くことになりました。
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