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限界説をぶっ飛ばせ! 35歳以上のITエンジニア転職

▼2007年5月15日 10:00 付の記事

□国内internet.com発の記事

エンジニア売り手市場と言われる昨今だが、中心的な採用年齢層は30歳前後。「若ければ若いほどよい」という人事担当者も少なくない。35歳半ばから転職は本当に難しいのか、マネジメント業務でない「現場」にはもう携われないのか。昨年の後半に転職した、35歳以上のエンジニアの転職を紹介する。

http://japan.internet.com/column/career/20070515/8.html

 初貝さんが新卒で入社したのは、エフェクターなどを専門に製作する電子楽器部品メーカー。大学で電子工学を学び、趣味のバンドでキーボードを担当していた彼にはまさにうってつけだった。その後、2社に転職するが、仕事は常にハードウェア系。しかし、4社目の転職がその後のエンジニア人生を大きく変えることになる。

「大手ソリューションプロバイダ系のアウトソーシング事業会社に転職しました。前の会社で海外の音響製品の修理に携わっていた経験を買われて、サーバの障害対応を担当したのです。アウトソーシングだけでなく、自社でネットワークサービスも行っていましたから。実はUNIXもWindowsもネットワークも本格的に覚えたのはここからで、いつの間にかネットワークエンジニアになっていました(笑)」

 この会社に8年勤めるが、後半の6年は当時まだ新しかったセキュリティ部門に配属。顧客のシステムに擬似攻撃を仕掛けて脆弱性を洗い出し、その報告をまとめてアドバイスを行う仕事だ。結果的にセキュリティのプロへの道を歩むこととなった。

 ただ、仕事を続ければ欲も出る。より情報を入手できる環境で新しい検査方法を学びたいと、セキュリティに特化したITベンダーを探すことに。「セミナーに参加したら、解説者の話しっぷりに共感した」との理由で昨年、グローバルセキュリティエキスパート(GSX)に転職した。

グローバルセキュリティエキスパート株式会社

テクニカルコンサルティング事業部

初貝謙一さん(36歳)

大学の電子工学科卒業後、電子楽器部品メーカーに入社して回路設計に携わる(約2年半)。その後、契約社員として情報通信機器メーカーでハード設計(約1年)、音響製品の輸入代理店に転職して製品のメンテナンス業務を担当し(約2年)、大手ソリューションプロバイダ系企業でネットワークセキュリティ業務に就く(約8年)。2006年10月にGSXに入社。







 現在の仕事は前職と同じで、GSXでは「Tiger Team Service」と呼ぶ侵入検査サービスを担当。同社の技術系職種はエンジニアとコンサルタントに大きく分かれるが、初貝さんは前者であり、希望どおりに多くの情報と新手法に触れられたと、この半年を振り返る。

「私は36歳で転職したのですが、募集要項には『35歳まで』という記載が多く、正直参りました(笑)。年齢が高い分だけ期待値も大きいせいでしょうが、そんな壁を乗り越えるのは『スピード』だと思います。3年後の目標を立てて勉強すれば、未経験でも3年後には即戦力となるはず。そして、目標を決めたら今すぐに挑戦すること。こうしたスピード感がないと、エンジニアは伸びないと思います」

  27歳にしてUNIXやネットワークを一から学び、独学で公認情報システム監査人(CISA)とマイクロソフトMCSEの資格を取得した初貝さんは、まさにその実行者だ。今後の目標は、エンジニアを続けながらコンサルタントを兼務すること。社内にはまだ少ない異色の存在になりたいという。

「今は別業界の知識をもつ人材が求められています。例えばセキュリティの対象がサーバから移りつつあるWebアプリケーションや、J-SOX法施行による内部監査関連や金融関連などの知識です。またセキュリティには、『そんなことまでやるの?』と言われるくらいの徹底さも大切です。やろうと思えば誰でもなれますよ」

管理部

マネージャー

高橋浩之氏


 弊社は国内トップクラスの技術と実績を自負するいわば「老舗」ですが、セキュリティホールのチェックを行うセキュリティ診断サービスを始めたのは1997年から。つまり、業界自体が若いために人材が希少で、弊社でもネットワークエンジニアをポテンシャル採用する場合が多くあります。そんな中で初貝は数少ない「本当の経験者」。もちろん即戦力として採用しました。

 35歳限界説なんて昔の話ですよ。少なくとも弊社で年齢は関係ありません。若いうちに実装を学んで年長でソリューションを提供するのが普通だと思いますし、年齢を重ねたほうが、お客さんに安心感を与えられますから。







 大学の専攻は電気だったが、ほとんどソフト系職種で転職を繰り返してきた於保さん。その動機は「エンジニアの本能」に従っていたようだ。新卒入社の大手通信機器メーカーではソフト開発を中心に技術営業まで携わるが、「世界一を目指しているのか」と疑問に思い、転職してシステムの導入コンサルタントになる。そしてインターネットが本格化してくると、ISPに転職して衛星通信によるマルチキャスト配信業務に就いた。

「私は自分をUNIXエンジニアだと思っていますし、ようやくIPが日の目を見たかと思って転職しました。関連会社に常駐したコンサル兼開発業務で、アメリカのナパバレーにある打ち上げセンターにも、合計で3カ月ほど赴任しました」

  ただ、常駐会社のビジネス的な方針に疑問を覚え、ITベンチャーに転職。外資系通信機器メーカーが日本でASP事業を立ち上げる、その窓口となると聞いてのことだったが、話が途絶えてしまう。しばらく「プータロー生活」(於保さん)でソフトの受注開発を行うが、実は会社員時代から続けていたこと。於保さんはアマチュア無線でのデータ通信が学生時代からの趣味で、その仲間が発注元である。

「それから外資系セキュリティベンダーに入社しました。日本ではソースコードを持っていないので、アメリカから来たものを評価して戻すなどの仕事です。PKI(公開鍵暗号基盤)に興味があり、ECのデータが流れる実際の様子も知りたかったので」

 しかし、開発はあくまでも米国本社。退社してから転職活動を始め、自然言語認識技術を核としたブログの高感度分析を行うC2cubeに入社した。

C2cube株式会社

情報システムグループ

システムアドミニストレータ

於保和彦さん(43歳)

工科大学の電子電気工学科を卒業後、大手通信機器メーカーで主にソフト開発を行う(約5年)。その後、鉄鋼メーカーのSI部門でシステム導入(約5年)、ISPでネットワーク関連業務(約2年)、ITベンチャーでSIのサポート業務を担当(約2年)。フリーで働いた後、外資系セキュリティベンダーでSEとして勤務(約2年)。2006年6月にC2cubeに入社。







「今までは好きな技術を吸収できてメシが食えればいいと思っていましたが、そろそろ腰を落ち着けようかと(笑)。ただ、35歳では感じませんでしたが、40歳を超えての転職は厳しかったですね。そんな私が貢献できるのは『総合力』だと思っています。今は日本語の解析だけですが、日本語は世界でもトップクラスの難しい言語なので、英語版での世界展開も夢ではないと思います。それに上場もしたいし、自社ビルの中にデータセンターも作りたい」

 於保さんは同社の主力サービスであるBuzzTunesなどのインフラの構築と運用を担当しており、今後は人工チャットエンジンなどの開発にも参加する予定だ。

「インターネットもTelnetの時代から知っていますから、FTPの延長にしか感じませんし、数年後にはWebに替わる技術が出てくるんじゃないですか」

 技術に長いこと真剣に向き合ってきたからこそ、こんなセリフがさらっと言える。

執行役員兼CFO

公認会計士

村瀬義徳氏


 年齢は絶対値ではなく、ふさわしいキャリアがあればよいこと。ただ、30歳半ばを過ぎたら専門技術は当然として、リーダー的な経験も見ています。於保は技術スキルも高いのですが、若手のエンジニアを教育した経験が豊富。そこも高く評価しました。

 日本はSI的な業務が多いせいか、仕様書から入る開発が主流です。しかし、弊社は2004年設立の自社開発型のベンチャーですから、ビジネスモデルを理解した企画提案型のエンジニアが欲しいのです。年齢によらずこの姿勢は必須。エンジニアは弊社の主役ですが、受け身で主役は取れません。






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