日本のソフトウエア開発の産業構造には、決定的な欠陥がある。ソフトウエア技術者の派遣ビジネス
http://www.remainder70.com/2007/04/post_100.html
以上のような様々な問題点に加え、日本のソフトウエア開発の産業構造には、決定的な欠陥がある。ソフトウエア技術者の派遣ビジネスである。
大規模な開発プロジェクトの場合、ソフトウエア開発の仕事は、ほぼ例外なく複数の会社に分割発注される。ところがソフトウエアシステムをサブシステムに分割して請け負わせるケースは少なく、多くの場合、「一カ月いくら」で契約する派遣プログラマーを雇い、プロジェクトチームに組み込む。派遣会社の間で技術者を貸し借りするので、技術者が多層化する。いわゆる多重下請け構造である。発注者でさえ、実際の階層数や末端の会社名を知らない。ある政府のプロジェクトで、危険視された宗教の信者が最下層に参画しており、それに管理者は気付かなかったという話さえある。当然、開発責任は曖昧になる。厄介なことに、派遣契約の多くは請負契約を装っているので、書類だけでは実態はわからない。
派遣がすべて問題なのではない。現に欧米でも派遣に相当する契約はある。それは、開発規模を決めるビジネスモデルをコンサルタントが作る場合や、不確定要素の大きい革新的なプロジェクトでリスクを避けるために使われる。また、成果物の品質責任を問われない事務的な仕事では、派遣は便利な形態である。しかし、品質に関して重大責任を負うに至ったソフトウエア開発ビジネスで、成果責任を負わない派遣形態がかくも横行しているのは日本だけである。