人材派遣料金――2年連続引き上げへ(価格追跡)
【NEWS:業界情報】人材派遣料金――2年連続引き上げへ(価格追跡)
人材派遣市場では4月からの契約更新に伴う料金交渉が本格化し始めた。大手派遣
会社は派遣先企業に2年連続となる料金の引き上げを要請している。2004年秋の金融
業界向け派遣需要の急増を機に始まった人材不足は1年以上たっても解消されていな
い。募集難から派遣スタッフの時給も上がっており、「コスト高を料金に反映させ
たい」と各社は強気だ。
人材派遣は最近では3ヶ月契約が多く、就業開始の1ヶ月前に当たる3月、6月、9
月、12月が更新作業のピークになる。中でも3月は翌月が多くの派遣先企業の年度初
めにあたることから最も件数が多い。派遣会社にとって「この先1年の派遣人数や料
金などを占う試金石となる交渉」(インテリジェンス)といわれ、注目度が高い。
大手派遣会社が派遣先企業に請求する料金は現在、パソコン操作や文書整理など
を担当する一般事務職で1時間1,800~2,100円(首都圏、税別、交通費別)が中
心。各社は今春、約100円(5%前後)の値上げを目標に設定、交渉を開始した。
長引く人手不足で派遣会社のコスト負担は増している。スタッフの募集単価が急
上昇しているうえ、社会保険料率の上昇による負担もかさむ。スタッフへの講習や
カウンセリングを充実させる費用なども膨らんでいる。景気が回復傾向にあること
から、各社は「受け入れ先企業は応分のコストを負担できるはず」(派遣会社幹
部)と読む。
一方で、派遣スタッフの動きも活発になってきた。「売り手市場の時ほどスタッ
フは好条件を求めて流動する」(リクルートスタッフィング=東京・千代田)。大
手派遣会社がホームページで公開している求人情報を検索し、自身の就業条件と比
較。「次はこの会社で働きたい」「自分の条件は良くないので次の契約更新は見送
りたい」など申し入れてくることが日常化しているという。
派遣スタッフの時給は現在、一般事務職で1,500~1,600円(同)が中心。派遣各
社は料金の引き上げを実現し、うち50円程度は募集時給引き上げの原資に充てたい
とするところが多い。
昨春の料金交渉では大手各社は7年ぶりに5%の値上げを打ち出し、年末までにほ
ぼ浸透した。今年は大手のほぼ全社が足並みをそろえて値上げに動いている点が昨
年と異なる。派遣先企業にとっては値上げしない派遣会社に乗り換えるという選択
肢がなくなった格好。派遣需要は今年も前年比を10%以上上回る水準で伸びると予
想されており、ある程度の値上げは通る可能性は高そうだ。(大槻陽子)
2006/02/01, 日経産業新聞
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